自罰的備忘録

頑張ってる自分に酔いたいけどストイックには頑張りたくない半端サイクリストの備忘録です。戒めも兼ねてます。

UCI Gran Fondo World Series 2019 Niseko Classic 140km

今回は割と間をあけることなく更新することができました!

 

今回は日本でも有数の規模を誇るレース、UCI Gran Fondo World Series の名を冠する、Niseko Classicに参加してきました。

 

このレースは140㎞のラインレースという珍しいレースで、獲得標高は2400m近くになるという(ぼくにとっては)かなりハードなコース設定のレースです。

ぼくが良くほかのレースを知らないだけなのかもしれませんが、140㎞のラインレースというのは、ほかにはそうそうないのではないでしょうか。

 

140㎞というのはさすがにエントリー前から知っていたのですが、2400mも登るというのは3週間くらい前になってからようやく知りました。

 

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コースを組んだ奴はアホかドSかのどっちか。

 

一度、去年140㎞を走ったという友人と試走に赴きましたが、メインの登りに加え断続するアップダウンでどんどん足を削られ、平坦や後半にある難所をショートカットしたのにもかかわらず、ボロボロになってしまいました…

 

その経験に加え、基本的に獲得標高が2000を超えるようなコースを組んで走ることはないのでかなりビビり散らしてニセコ入りすることとなりました。

 

今回ニセコ入りしたのは金曜の夜。土曜はTTがあり、ロードレースは日曜日です。

大学時代の先輩もエントリーしたというので、先輩が所属しているチームの方々が予約していたコンドミニアムにご厄介になる予定でした。でした…

 

なんとお仕事の都合で先輩は直前でニセコに来れなくなってしまいました。

ということで僕は面識のないめちゃつよなチーム員の3人と二泊三日。

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ナンバープレートからほとばしるガチレース感。こわいこわい。

僕も含め全員TTには出ないとのことなので、土曜は軽ーく刺激を入れるために走りに出るとのこと。

金曜の夕飯をごちそうになった際の会話の内容から、僕とは自転車に対する取り組み方からして違うんだろうな…とは感じていましたが、緩い坂でのペースアップについていけずかるーくちぎられてしまいました。

 

そのころには先輩からの情報で、一緒にいる方々が年代別優勝候補だったりようわからん実績のある人だったりと雲の上の存在だとわかってはいましたが、今までそういったレベルの人と走ることがなかったため、なかなかの衝撃でした。いや、めちゃくちゃな衝撃でした。

 

20㎞程走ってから宿に戻って、お昼をたべつつ夕飯の買い出しに行き、ライダースミーティング、翌朝の食事の買い出し…

丸一日あったはずなのにあっという間に寝る時間です。

 

翌日、五時に起きて食事をして補給食の準備をします。

補給が必要になるようなレースに出ることがあまりないので、スムーズに補給することができるのかが不安だったため、あまりたくさん持っていくつもりはなかったのです。

ですがレースペースで140㎞は完全に未知の領域ですし、ハンガーノックになってしまっては目標である完走も危うくなってしまうので多めに持っていくか…迷いどころです。

 

結局持って行ったのは、ニセコに来る前に買っておいた

エネ餅3本 Mag-onのジェル5パックと、ニセコに来てから買い足したHoney Stingerのシリアルバー、エナジーグミを持っていくことにしました。

あとは以前からエンデューロなどで愛用していたアリストのメダリスト9000を二本のボトルのうち1つに。もう一本には水を入れていくことにしました。

 

この構成は素人なりに意図をもって選んだもので、まずは固形物であるエネ餅・シリアルバーは、炭水化物から糖質に変換されるプロセスがあるので、直接糖の溶液を飲むような形になるジェルより比較的緩やかに吸収されます(多分)。

血糖値の急激な上昇を防ぎつつ持続的にエネルギーを与えてくれることを狙いました。なので、食べるタイミングとしては序盤~中盤をイメージ。

 

ジェルはしんどい時でも比較的補給しやすく、即効性のある補給としての役割を期待して持ち込みました。アップダウンが多く落ち着いて補給できるタイミングが多くなさそうだと思ったので、サクッと補給できるジェル、かつ開封しやすいパッケージのMag-onを選びました。

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上の色付きの部分を噛み切れば開封できます。ヨレたりもしないのでノーストレス。

とにかく甘くて口の中がべたべたしますがそこは我慢。5つ持ち込んでいることもあり、今回のメイン補給です。

 

最後にグミ。これも補給しにくいコースと補給自体に慣れていないという事情によって持ち込みを決めたもの。隙あらば口に一つずつ放り込みます。しっかりとれそうにないなら口の中に即座に入れてしまえるものを…という発想。

 

エネ餅とグミはパッケージの口を開けてからジャージのバックポケットに入れます。

グミに関してはこれでいつでも取り出せるし口に入れられる!完璧!

 

はい。会場入りして出走サインして、残り20分ほどを凍えながら待ちます。

割とすぐに出走時間に。6:35出走です。

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UCIの三文字が、否応なしにテンションを上げてくれます。

 

最初の6kmほどはパレードラン。

ニセコのリゾート地区を抜け、どんどんと文明度の低い景色へと突入します。

パレードの時点でこまかいアップダウンが続くので、集団のド真ん中あたりにいた自分はなかなかの恐怖感。200人規模の集団は初めての経験なので、結構ドキドキします。

 

なんやかんやしてるとアクチュアルスタートしてました。道幅いっぱいに広がっているのにかなり縦長にもなっているので、前方の動きがわからずペースアップでようやくスタートを認識する始末。

後で聞いたらご厄介になったチームの方がファーストアタックしてたらしいです。ファーストアタック…かっこいい響きですね(

 

最初からそこそこの登りなので、それはもうぶちぶちと集団が切れていきます。

このあたりからちょくちょくグミを口に放り込みます。

無理なくついていけるペースの集団に加わり、脚を使わないようにメインの登りであるニセコパノラマライン・第一関門(二時間後に足切りが設定されていました)までをこなす心積もりです。

 

しかし、チキンでコーナーがドヘタな僕は案の定くだりで置いて行かれます。

60㎞普通に出しましたし普段からすればかなり恐怖と戦ってはいますが、やはり足りないみたいです。

 

幸い、下りきったのちはまた登りなので、下りで僕を置き去りにした人をとらえてまたペーサーにします。

 

パノラマライン前では大きな集団から離れてしまっていましたが、後ろにつけばまあついいていけるかな?くらいの感じで走っているオジサマの後ろについて下りをクリアし、登りはじめ直後あたりで50人ほどの第n集団に合流することができました。

 

おいついてひと段落したのでジェルを一つ投入。ゲロ甘い。甘さが濃い。

 

集団は登りをこなすというイメージなのか僕程度でもかなり余裕のあるペース。

くだりでまた遅れるのは目に見えていたので、右側からさくさくと位置を上げて10番手あたりに陣取ります。

 

ここから登りがひと段落(最高点ではない)する第一関門までは隣のひととしゃべったりしながら割とのんびりしたペースで登ります。

周りも「ひさしぶりー」だのなんだのとにぎやか。僕は知り合いがいないので話しかけてくれた優しい東京の方と世間話です。

 

試走の時は風がとても強く、斜度よりも風のせいでつらい登りだという認識でしたが集団の中にいたおかげでほぼ消耗なく登りきることができました。本当に登りが本格化する前に追いつけて良かった…

 

関門は8:35で閉まりますが、8:15分ごろに抜けることができた気がします。

関門を抜けると一瞬とはいえ平坦に近い斜度に戻るため、そこでペースアップ。

先頭近くにいたため反応し、7人ほどの小集団を作って最高点まで登ります。

 

さてここからは長い下り。コーナーで遅れる度に登りで追い抜いた見覚えのあるジャージにぶち抜かれます。毎度のことなのでもう何も思いませんけど。

 

とはいえ下った後は平坦。風が強いという情報もあり、ここで置いて行かれるとキツいとわかり切っているのでケガしない程度に踏んで頑張ります。

 

しばらくすると登りで置いて行った大学入りたての子に追いついたので、卑怯にもツキイチで休みます。登りで思いっきり会話してたのを聴いて、彼はS-2ライダーだとわかっているので容赦なしです。

 

下ハン握ったまま肘だけで交代を促してきました(ムカつく動作だ)が、登りでの情報もあったし、前には出ましたがまともには踏みません。

しびれを切らして再度出てきたS-2ライダーさんにまたごやっかいになって、集団を追います。

 

くだりを終えて、平坦でさらに2~3人をキャッチしローテを回そうとしますが、そのうち一人は「脚攣りそう」とのことでローテ拒否。まあ今まで僕がやってきたことよりは素直に申告してるので性質はいいのかもしれません。本当かどうかは知りませんが。

 

そんなこんなしているうちに一個目のフィードゾーンに到着。ついでにスローダウンしていた集団に追いつきます。ここで今回のレースで最もやりたかったプロ選手ごっこを行います。ボトルの投棄と補給の受け取りです!

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これが欲しくて走ったまである。最高のお土産です。

 

投棄はもう捨てるだけなので簡単ですが、70㎞走って最初の補給ということで大混雑。

しかし僕もボトルの中身が心もとなかったためここをスルーする選択肢はとれず、ボトルをもらうためにわざわざ足を止めてしまいました。

 

そのせいで結局また集団から落ちてしまいました。追いつこうにもそのあとは再びくだり。見える範囲にいるのにも関わらず差が詰まりません…

 

そのまま平坦ゾーンに突入。集団は遥か前方(でも見える)後ろは余力がなさそうだったから置いてきたのでかなり後ろにいることがわかっているという完全単騎状況です。心細いったらありゃしません。

 

唯一の救いはかなり強い追い風だったこと。単独でも40㎞後半での巡行しながらエネ餅をもぐもぐできました。平坦で固形を入れるというのは決めていたので、予定通りです。予想外に甘かったですが。

 

なお、同じ道ではないとはいえ平坦区間は方角的に折り返す形になるので、このままだと単騎でこの風に向かって走ることになります。非常にまずいな…と思っていたら集団からメカトラで落ちてきたオジサマがひとり。

 

集団追います?という話もしました(この時はまだ視界にはいた)が、さすがに二人で詰める距離じゃないよね…ということで断念。もともと完走とボトル投げ捨てのために来ましたしね。

 

その後二人で平坦区間を折り返し、前からこぼれてきた人達を加えてローテします。

その人数はだんだんと増え、難所といわれる100㎞過ぎから始まる長い登り(三段坂というらしいです)の前には15人前後の集団になりました。

平坦区間はかなりのローペース。その時にはもうかなり腰に来ていたため、ストレッチしたりしながら三段坂の前まで距離を消化するイメージでした。

 

そして三段坂に入った瞬間、帰りたい。と思いました。

斜度もあるし、三段坂は試走でカットしましたが後半には細かい(細かくないやつもある)アップダウンがあることが試走の段階で分かっていたので、思わずため息が出ました。集団のペースはまた一段と落ちていきます。

 

僕は登りの全長を知らなかったので、今までいた集団を置き去りにしてマイペースで刻みます。のぼりきってまた下りで抜かれましたが。

 

このころには完全に腰が爆発四散していたので、まともにシッティングで踏めなくなっていました。下ハンも握れないのでくだりは全くペダルを踏まず、上半身を思いっきり起こしているのでスピードも出ず、どんどん抜かされます。つらい。脚はまだあるのが一層つらい。

 

そこからもだらだらとした登りがあったり下ったりでしんどい時間が続きましたが、8割がたダンシングだけで登り、ストレッチしながら下り…を繰り返して何とかごまかしました。こんなのでも登り下りで恒例の抜いて抜かされるやつになるのは、多少登りの自信になりました。ただペース走が多少マシなだけかもしれません。

 

このあたりでジェルをもう一本キメて、ボトルを走りながら受け取れてた気がします。

腰痛すぎてよく覚えてません。

 

しばらくすると、試走で見たことのある風景まで戻ってきました。つまりまだ結構登りが残っているということです。マジでコース作ったやつなんなんだ。

 

しばらくすると、多少痛みが引いたのか慣れたのかマヒしたのかわかりませんが、下ハン握れるようになったので、ラストスパートです。

 

70㎞の参加者で元気な人がいたので、後ろにつかせてもらって残りの細かいアップダウンを駆け抜けます。残り2kmを切ったあたりで同じカテゴリの選手を見つけたので、勝手にあいつには負けねえ…と心に決めて踏み抜きます。

 

ゴール前になかなかの斜度のある坂があり、ゴールアーチが見えてからもなかなかのきつさです。このコース考えたやつは(ry

 

というわけで何とかゴール。

 

無理です。

 

反省点はやはり下りと腰が痛くなる原因を特定・改善しないままに出走してしまったこと。

 

下りはともかく、腰(背中?)に関してはポジションなのか体幹ないのかそれとも体のゆがみなのかそれ以外なのか…さっぱり見当つきません。

 

レース後はチーム員の方からフィッティング行ってください()といわれました。

整体からのフィッティングですかね…お財布壊れる…

 

ちなみに、食べた補給はエネ餅1つ、Mag-on3つ、エナジーグミ1つでした。

口を開けたエネ餅が2本余ってしまったのが悲しいですが、足りないよりは間違いなくいいので…

 

何はともあれいろんな刺激を受けることができた3日でした。

チームの方々とご一緒できたことで、レースに関してはもちろんその前の準備や補給なんかに関してもいろいろ教えていただき、とても勉強になりました。

よそ者である自分が一人でお邪魔したのにもかかわらず、とてもよくしていただき、本当に感謝しています。

 

また機会があって走るときがあれば、少しでも成長していられるように頑張って練習したいです。まだやれるって今回でよくわかった気がします。

 

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頑張りました。頑張ります。